歯科治療について
歯科における被せ物治療
=補綴治療とは
歯の一部、あるいは歯そのものを失ってしまうと、噛む力の低下を招き、場合によっては外観も損ないます。そこで、低下した機能を人工物により取り戻すために行うのが【補綴治療】です。被せ物と言われるものです。
中には「むし歯が悪化したために大きく削ってクラウンを被せた」「歯周病で歯が抜けて、ブリッジや入れ歯を使うことになった」というように、感染症がきっかけで補綴治療を受けた方もいると思います。一連の治療に見えるため、両者の区別がつきにくいのが現実です。
こんな場合はご相談ください
- 歯が痛い
- 食べ物が詰まる
- 歯がしみる
- 口を開けると痛い
- むし歯がないか調べて欲しい
- 顎がカクカクと音がする
- 親知らずを抜くべきか気になる など
補綴治療の流れ
補綴治療で最初に行う処置は「①感染対策のための治療」その後、「②低下した機能を回復するために行う補綴治療」になります。
異なる種類の治療が、お口のなかで、二段階で行われているのです。だから、回数もかかってしまいます。
むし歯の治療は、感染を拡大させないため短期間で行わないといけないものです。
例えば、小さいむし歯であればむし歯で感染したところだけを処置すれば解決します。
それに対して補綴治療は、【時間】と【期間】がかかります。
それは、【機能の回復】だからです。
「機能の回復とはどういうことでしょう?」そもそも機能回復とは、例えば骨折をすると、した場所はすぐには動かせないですよね。動かせるためには、最終的にリハビリをしないといけませんよね。義手や義足もどうでしょうか?
いきなり、それを補ってもすぐには物をつかんだり、歩いたり、走ったりはできませんよね。そのために、リハビリをしてできるように訓練していきますよね。
それでは、お口の中ではどうでしょうか??
お口も同じではないでしょうか。噛む力が低下して機能が落ちていると、低下する前の機能まで回復しないといけません。そこを、人工物で補って機能を回復する必要があります。
ただ、患者様は、機能が低下してから受診されることが多いので、低下する前の機能がどの程度かは、見ただけではわかりません。そこで、しっかり機能回復ができたか、見極めないといけません。
だから、本来の機能が回復するまで時間と回数がかかるのです。
お困りの方は、お気軽にご来院ください。
むし歯を削った場合は
メタルフリー治療がおすすめです
むし歯を削った後は銀歯にするのが一般的ですが、当院では銀歯ではなくセラミックを使用するメタルフリー治療を推奨しています。見た目がとても自然で、むし歯や歯周病を抑える効果もあります。また金属アレルギーの方も安心して使用できますので、むし歯を削った場合はぜひご検討ください。
酸蝕歯(さんしょくし)
について
酸蝕歯とむし歯の違いとは
むし歯はむし歯菌がだす酸によって歯が溶けます。酸蝕歯は、食べ物や飲み物に含まれる酸で歯が溶けます。むし歯のないきれいなお口の中でも歯は溶けるので注意が必要です。
歯は、カルシウムやリンなどのミネラル成分でできていて、酸に触れると化学反応が起こり、分解され溶けてしまいます。むし歯は、むし歯菌がだす酸によって歯が溶ける病気で、歯の溝や歯の間など汚れの溜まりやすい場所から歯が溶け始めます。ですので、むし歯ができる範囲は限られています。
それに対して、酸性の食べ物や飲み物がお口の中に入ってきて、繰り返し歯と接触することで、溶け始める現象を【歯の酸蝕】といい酸蝕によって病的にとけてしまった歯を【酸蝕歯】と呼んでいます。飲食物は、お口全体にいき渡りますから広範囲の歯に被害が拡大します。
また、持続性の嘔吐がある場合も胃酸の影響でも歯は溶けます。
酸蝕歯の病因は、内因性と外因性に分類されます。これまで述べてきたように外因性に主たる病因は、酸性飲食物の過剰摂取です。内因性の主たる病因は、逆流性食道炎や摂食障害など、胃液(食前空腹㏗1.0~2.0)を介する持続的な嘔吐によるものです。
小児歯科について
優しく丁寧な治療を
心がけております
エナメル質が成熟していないお子様の歯は、むし歯の進行が速いため注意が必要です。
子どもの頃から正しい歯みがきの方法や食習慣を身に付けたり、定期的なメインテナンスで通院するようにすることで、歯をいつまでも健康な状態にすることが大切です。
お子様に対して、恐怖心を与えないよう、優しく丁寧な対応を心がけています。
こんな場合はご相談ください
- 子どもにむし歯がないか診て欲しい
- フッ素を塗って欲しい
- 子どもの歯を守りたい
- 学校の検診でむし歯が見つかった など
治りの悪い根っこの
外科的治療について
歯の根の治療は
外科的歯内療法を行います
外科的歯内療法とは、通常の根管治療(神経の根っこの治療)では改善が見込めない歯根(歯の根っこ)の先の炎症や根にヒビなどの破折が生じた際に外科的なアプローチによって改善を図る治療です。
歯根端切除術
外科的歯内療法の代表的な術式の一つが「歯根端切除術」です。
通常の根管治療では改善が見込めない歯根先端部も病変の除去と感染歯質を切除する方法です。
歯根端切除術の適応
- 通常の根管治療では、治療ができない歯根先端部分に膿がたまる症状がある場合
- 複雑な形状の根管であったり歯根が大きく曲がっていたりして適切な処置が困難な場合
- 根管治療を行う際、金属の土台が大きく太い場合、土台の除去が適切に行えず、無理に除去すると歯のうすいところで穴があいて破折する可能性が高い場合
- 歯の先端部分で破折した場合 など
歯根端切除術のメリット
- 歯の先端の炎症を直接目で確認できること
- 通常の根管治療では難しいケースにも対応できる場合が多い
- 大きく太い土台があり除去すると歯が割れたり、穴が開くリスクがある場合
- うまくいけば自費の被せ物を外さなくても良い場合がある
- 成功すればいままでの「不快な症状・違和感・痛み」がなくなり、炎症も治癒する
- 保険適用(最初から最後の被せ物まで)/自費の適用も可能
歯根端切除術のデメリット
- 処置が手術になるので時間がかかる(1時間~1時間半要する)
- 歯ぐきを触るため、治癒の過程で手術した歯の周りの歯肉が少し下がる場合がある
※被せ物のやり直しや隣の歯の歯肉を整える場合もあり - 唇や頬がまれに内出血を起こす場合がある(基本的に1週間程度で治まります)
- 成功率が100%ではないため、炎症をとっても再発する場合がある
- 再発した場合、再び同じ処置をするか抜歯になるケースもある
- 歯肉を縫うので、歯肉をめくった境界線がわずかに白くなる場合がある
歯ぎしりについて
歯ぎしりは歯を失う原因の一つです
歯ぎしりは日本人の多くの方が経験しています。そして、大半が自覚症状のないことが判明しています。歯ぎしりによって詰め物が欠けたり、割れたり、時に歯が折れたりすることもあります。歯を失う原因の一つです。
また、肩こりや頭痛、腰痛、めまい、耳鳴りなど体の至る所に悪影響を及ぼすリスクがあります。
こんな場合はご相談ください
- 寝ているとき歯ぎしりを指摘されたことがある
- 朝起きると顎が痛いまたは開けづらい時がある
- 食いしばる
- 全体的に歯がしみる症状がある
- 慢性的な肩こりや頭痛がある
- 朝起きると奥歯が痛い
- 詰め物がよく欠けたり、取れたりする
- 日中、よく食いしばっているときがある
- 歯の表面がすり減った感じがある
- スポーツや力を入れる時頬をよく噛む など
歯ぎしりの原因
ストレス
歯ぎしりの原因で最も有力なのはストレスです。頭痛や肩こりや腰痛などと同じようにストレスによる筋の緊張で口の周りの噛む筋肉が張ってコリを生じ、歯ぎしりが起こります。
歯並び
歯並びが悪いと、それぞれの歯にかかる負担が部位によって違ってきます。ただ、年齢が若い場合は歯並びの悪さを骨や筋肉が補っています。そのため、骨や筋肉が柔軟なため影響がでにくいです。しかし、年齢とともに柔軟性が失われていくため歯並びの悪さを補うことができず歯ぎしりが起こります。
噛み合わせ
年齢とともに、歯の表面がすり減ったり、歯周病により歯の動揺、老化など微妙に変化する噛み合わせに対応するために起こります。
日中の食いしばり
日中に何か集中しているときなど無意識に行っている癖が寝ているときに出る場合があります。食いしばっていたり、日中に上下の歯を常に接触させたりする場合筋肉が記憶して寝ている場合も行うことが原因です。
顎の関節の変化
年齢とともに、顎の関節はすりへり関節が平らになっていきます。その形に合わせて歯も変化していくため歯ぎしりをしている可能性があります。
歯に起こる変化
歯が全体的にしみる
歯に負担がかかるぶん歯に見えない亀裂などができ歯の表面を覆っているエナメル質が剥がれ神経とつながっている象牙質がむきだしになり、過敏に反応してしみます。
噛むと全体的に歯に痛みがある、
または片方のどちらかが痛い
歯ぎしりによって歯が揺さぶられることで歯と骨の間にある歯根膜(しこんまく)というクッションの役目の部分に強い力がかかることで、痛みや違和感を感じるようになります。
詰め物が取れたりする
歯ぎしりが強いと詰め物の種類によっては取れる場合があります。
歯が折れる、割れる場合がある
歯の表面が欠けたり、歯自体が根元から割れる場合があります。特に、神経の治療を行った歯は天然の歯よりももろくなるので、強い力がかかると割れることもあります。
歯が削れて短くなってきた
歯ぎしりによって歯同士がこすりあうので歯の表面が徐々に削れていきます。場合によってはしみる症状やヒビなどが入ります。
骨の変化
骨がこぶのように
盛り上がってくる
歯ぎしりや食いしばりが強い傾向にある場合、骨がこぶのように盛り上がる骨隆起と呼ばれるこぶができる場合があります。下顎には小臼歯の内側に、上顎には口蓋(天井)の真ん中にできます。ひどい場合、痛みをともなうこともあります。また、骨隆起がひどい場合、入れ歯を作製できない場合があります。
歯周病がより悪化する
歯周病が進行している場合は、歯が揺さぶられるためより歯周病が進行します。
その他の変化
顎の関節や筋肉が痛くなる
歯ぎしりによって顎の周辺の筋肉が緊張・疲労し痛みがでることがあります。また、顎の関節のクッションの役目をする関節円盤が歯ぎしりで圧迫されるとスムーズに口を開けにくくなったり、音がなったり、痛くなる場合もあります。
肩こり・頭痛(なんかはる)
歯ぎしりによって噛むための筋肉が緊張しそれが原因で肩こりが起きる場合があります。噛む力を出す筋肉は肩や首、頭のほうまでつながっています。それによって肩こりや頭痛が起きる場合もあります。
顔(えら)が大きくなる
歯ぎしりの時に使う筋肉は顔の周り、とくに顎のえらの部分についている筋肉です。歯ぎしりがある方はこの筋肉が発達し、えらの部分が張り出して顔が大きく見えます。
歯ぎしりの種類
グライディングタイプ
(歯ぎしり型)
上下の歯を左右にすり合わせ、「ギリギリ」と音が鳴る特徴が多いです。就寝中に起こりやすく、無意識で動かしている人がほとんどです。強くやる人から弱くやる人までそれぞれあります。
クレンチングタイプ
(噛みしめ型)
上下の歯を強く噛みしめます。仕事やスポーツなどの日常生活で無意識で歯を食いしばる特徴があります。また、就寝中に無意識に噛みしめている人もいます。就寝中に噛みしめが強い人は、朝起床時に顎や顎の周りの筋肉にこわばりを感じていたり疲労感を感じる人がいます。
タッピングタイプ
上下の歯をぶつける傾向があります。下顎を上下に動かすので「カチカチ」といった音が鳴る特徴があります。個人差によって強く音が出る人と弱く音が出る人もいます。個人差が大きいのが特徴です。
ナッシングタイプ
(きしませ型)
歯の一部分が擦り合わせて「キリキリ」「キシキシ」ときしむ音がする特徴があります。特定の部分だけが擦りあうため、歯の一部分だけが徐々にすり減っていく特徴があります。
歯ぎしりの種類
睡眠時ブラキシズム
言葉通り、寝ているときに起こる歯ぎしりのことで無意識で行われています。
覚醒時ブラキシズム
起きているときに起こる歯ぎしりです。いわゆる「癖」です。
歯や顎の痛み、口が開けづらい、歯が全体的にしみるなど症状がある方、歯ぎしりを指摘された方など、お悩み・相談・不安・心配などございましたらkuniデンタルクリニックへお気軽にご相談ください。