予防にはいくつかの段階があります
歯科では、Leavell&Clarkという人達が発案した3つの予防レベルで分類されます。
それぞれを第1次予防・第2次予防・第3次予防と呼んで分類していきます。
第1次予防
そもそもまず、「予防」とは、悪い状態が発生しないよう注意し、事前に備えることを指します。
1次予防とは、病気の発生を未然に防ぐ行為で、環境の改善や適度な運動、栄養バランスのよい食生活、予防接種などがこれにあたります。
言い換えれば、健康増進と特異的予防を指します。
歯科における1次予防
- 公衆衛生指導
- フッ素塗布
- 定期健診
- シーラント
- 口腔内清掃(歯みがき、フロスや歯間ブラシの使用)
- 予防的歯石 など
セルフケア
歯科医院で毎日口腔内のクリーニングをしてもらうことは、時間的にも経済的にもあまり現実的ではありません。その為、日常的なケアについては患者様自身が行う必要があります。歯科衛生士は、来院した患者様に対し、ブラッシング指導を行ったり、より確実なケアが行えるよう、歯間ブラシやフロスといった補助的なケアグッズを勧めることで患者様のセルフケアを促進する役割を担っています。
プロフェッショナルケア
いくら患者様が正しい方法で歯みがきを頑張ったとしても、どうしても磨き残しは生じます。磨き残しを放置すると、付着したプラークがかたまり歯石となり、セルフケアでは取り除けない状態になってしまいます。効果的な1次予防を継続するためにも、定期的に歯科医院を訪れて歯科衛生士によるクリーニングを受けることが重要です。こうしたメインテナンスは、歯周病の既往歴がない方は半年に1回、歯周病の既往歴がある方は、歯周ポケット内の歯周病原菌は処置後12~16週で元の細菌叢に戻る傾向があるため、3ヶ月に1回が望ましいとされています。
第2次予防
1次予防の段階で病気を食い止めることができれば良いですが、生きている限り人間は風邪をひきますし、丁寧に歯を磨いたとしても、むし歯や歯周病になってしまうことがあります。そのような場合、重症化する前に早い段階で病気を発見し対処するこが大事です。
この早期発見・早期治療により重症化を防ぐ過程は、「2次予防」と呼ばれています。
歯科における2次予防
- 歯の汚れ除去のための歯科検診
- 病巣の進行防止
- 主訴や症状に合わせた各種精密検査
- 補綴物装着後のトレーニング
- 初期病巣への処置 など
第3次予防
疾病に罹患し、すでに治療も始まってる段階で被害を最小限に食い止め、機能回復を目指すとともに再発を防止する行為が「3次予防」にあたります。具体的にはリハビリテーションや機能回復などがあげられます。介護予防(要介護にならないようにすること)そしてQOLの向上が最重視されています。
歯科における3次予防
- 義歯の作製
- 治療後の定期的なメインテナンス
- インプラントの埋入 など